「社労士は、開業後3年間はほとんど収入なしの覚悟が必要!」というのが暗黙の了解として広まっています。1,000万円くらい貯金貯めて挑むのが理想だそうですが、それもなかなか難しいものです。

しかし、開業当初は本当にクライアントなしで、仕事もないので、年収数十万円なんて人もいるのです。

必死に営業活動をしていたら3年ほどすればクライアントもそこそこついて経営も何とか安定するのが一般的ですから、それまでの辛抱です。

食べていくために必要な社労士におすすめ副業をご紹介しましょう。

 

社労士におすすめの副業4選

社労士会の無料労働相談

社労士会の無料労働相談は、行政や社労士会主催で行うその地域に住む一般市民向けの、社労士が行う無料労働相談です。

社労士の日当は、地域によってさまざまですが、2万円程度(交通費込み)が相場です。

1週間程度継続で行われる場合や、月1で行われる場合もあります。

日当2万円は、開業したばかりの経済的に安定していない社労士には、ありがたい報酬です。

 

1号業務に関係のある仕事のパート・派遣・嘱託職員

・派遣やパートの短時間労働

雇用保険・社会保険の届け出の仕事の派遣の場合、資格だけでなく、実際に実務経験がある社労士におすすめです。

企業の保険組合など月~金で16時くらいまで、あるいは週3回程度の短時間労働をし、空いた時間で本業の社労士のクライアント獲得の営業活動をします。時給は900円くらいです。

社労士の仕事は、比較的時間に融通がききますのです。

しかし、派遣の短時間労働は主婦のパートが多いので、二の足を踏む男性が多いようです。

 

・フル勤務の嘱託職員

男性の場合は、1号業務に関係ある労働基準監督署やハローワークなどの公務員の嘱託職員(1年契約)になって社労士の実務を身につけ、土日に社労士活動をしている人もいます。

月給13万円~15万円程度です。

土日だけで契約が取れるのか、と思いきや、労働基準監督署でも、相談に来た会社の社長や労働者と知り合いになって、しっかり営業しているようです。

こうして今や立派に事務所経営に専念している社労士を筆者はたくさん知っています。

何をやっていても営業はできるのだと感心したのを覚えています。

 

資格の塾や予備校の講師

資格塾や予備校の講師は、週1~2回程度で1日4時間ほどが一般的です。

しかも、平日夜や土日の授業が多いので、本業の社労士活動には、あまり影響がありません。

給料形態はさまざまですが、時給7,000円~10,000万円ほどで、これに売り上げの何%かがプラスされる塾や予備校もあります。

これだけでも、20万~30万円にはなります。

また、大学の就職課の資格講師という仕事もあります。

大学によると思いますが、筆者が経験した某大学では、週一2時間で20,000円でした。

予備校や塾では実務経験を積むことはできませんが、塾や予備校は、人脈の宝庫でもあるのです。

筆者の塾の恩師は、10年塾で働いて、塾の古株になって、塾でそれなりの地位も築き、もう塾の先生で終わるのではないかと陰口をたたかれたりもしていましたが、塾の人脈を利用して、突然の開業を果たしたのです。

大きな老人ホームの会長と顧問契約して、社労士事務所を開業し、今では多くの老人ホームや福祉関係の会社と顧問契約を結ぶ法人社労士事務所の代表になって大きな利益を上げています。

また、同じ予備校講師仲間で司法書士と税理士と社労士の合同事務所を作って、クライアントを共有している社労士もいます。

社労士と税理士と司法書士が揃えば、3人で会社のトータルコーディネイトができて、クライアントを獲得しやすいそうです。

 

保険代理店でアルバイト

損保代理店では、一般的に社労士事務所に外注しているので、アルバイト社員に社労士がいると重宝されます。損害保険には、社労士のサインが必要なものがあるからです。

時給は900円程度です。

筆者の知人の話ですが、開業社労士の副業であることを保険代理店の社長さんに伝えると、保険のお客さんを何人か紹介して下さったそうです。

損害保険に加入する会社は、社労士の仕事の需要もたくさんあるのです。

彼の場合、「保険募集人」「損保募集人」の資格から取得して、さまざまな講習を受けて保険代理店の資格を取得していきました。「募集人」の資格があれば営業ができます。

保険のセールスで営業力を磨いたのだそうです。

保険代理店になるには、FPの資格もあった方が良いそうです。

最終的には保険代理店の資格とFP2級の資格も取得して、社労士と保険代理店のトリプルライセンスで活躍しています。

現在、社労士の収入70%、保険代理店の収入20%、FPの収入10%ほどだそうです。

彼のケースは、クライアントまで紹介していただけて、非常に運の良いケースだったと思います。

しかし、少なくとも、筆者の知ってるだけでも、損保募集人の資格とFPの資格を持っている社労士は何人かいます。

保険代理店のアルバイトは、仕事は競合しないのに、クライアントが重なる親和性の強い仕事ですから、クライアント獲得のためにも、損保を扱っている保険代理店のアルバイトはおすすめなのです。

 

社労士の副業は社労士業務や人脈づくりに役立つものを

社労士事務所を開業したばかりの頃は、食べていけないので、仕方なく副業をしているのですが、いつのまにか副業が本業になってしまう人もいます。それでは本末転倒です。

あくまで社労士の仕事に親和性のある業務内容で、ダブルライセンスに役立つとか、営業力がつくとか、クライアント獲得の足がかりになりやすいなど、何かしら社労士開業に役立つ仕事にする事をおすすめします。

社労士の経営が安定していない時代は、明るい未来が本当にやって来るのかと不安に駆られてしまうことばかりです。

ですが、仕事のないときこそ、人脈づくりとダブルライセンス取得にも力を入れて、いざというときに備えましょう。チャンスは必ずやってきます。

もはや社労士勝ち組になるのは、チャンスをつかめるかどうか、自分との戦いなのです。

誰がどんなチャンスを持ってきてくれるかわからないので、どんな人脈でも大切にしましょう。