社労士事務所の個人事業主であって、一生懸命顧客獲得のために営業に励んでも、なかなか顧客を得ることができないと悩んでいる方は多いと思います。
この記事では、「仕事がない」と今悩んでいらっしゃる社労士さんに向けて少しでも参考になれば、と思い書いてみました。
目次
仕事がない社労士のための営業力チェック
個人的か意見ですが、仕事のない社労士さんは、優しく比較的大人しい方が多いように思います。
しかし、優しく大人しい方は、社労士に向いていないのではなく、顧客さえ獲得して、能力さえあれば、その性格は話しやすさや信頼に繋がります。
社労士は、信用を獲得するのも顧客を獲得するのも、最終的には営業力です。
性格が明るく、テクニックさえ身につければ営業力が伸びる人もいますが、営業には不向きな人もいます。
【営業力チェック項目】
- 人と話すことが好き
- 何事にもポジティブシンキング
- 人を喜ばせることが上手
- 人を惹きつける魅力がある(友達が多い)
- 一緒にいるだけで楽しくなる
- 真面目で信頼できる
- 不言実行
このように、社交的でありつつも、真面目で信頼できる人でなければなりません。
あなたはいくつ当てはまっていましたか?
営業力の基礎がある人は「名前」を覚えるのが得意
上の【営業力チェック項目】で3つ以当てはまった人は、営業力の基礎を持っている人といえます。
今は顧客を獲得できず仕事がない状態であっても、地道に努力していけば、人と知り合っていくうちに、ご縁がご縁を運んで、どうにかなるものです。
そもそも、社労士が仕事を軌道に乗せるには、3年かかるといわれています。
つまり、「3年は無収入の覚悟で開業せよ」ということです。
3年は長いですが、営業力が利益の果実となって反映してくるのに3年かかるのです。
営業力の基礎のある人は、とにかく、商工会議所や社労士会の研修会、異業種交流会、無料労働相談会、とにかく人が集まるところにできるだけ出かけて、名刺を配って自分の存在をアピールしてきましょう。
ただ名刺を配るだけでは、名刺の無駄遣いです。
必ず会話をして、自分に興味を持ってもらう必要があります。
そのためには、自分の名前を覚えてもらうのではなく、相手の名前を覚えることです。
名前を呼ばれたら、名前を呼ばれたとき、呼ばれた相手の名前がわからなかったら、何となく申し訳ない気持ちになるものです。
この無意識に「申し訳ない」と思った気持ちが、こちらの名前を覚えようとする意識に繋がります。
デパートの売り上げトップのカリスマ店員さんは、1度いらっしゃったお客様の名前とお買い上げになった商品を忘れないのだそうです。
ホテルマンや旅館の女将さんも同じ事を言います。
たかが名前、されど名前なのだそうです。
筆者も名前を覚えるために、頂いた名刺に頂いた方の特徴や似顔絵イラストを書いておくようにしています。
仕事がない、営業も苦手な人はどうしたら良いの?
上の【営業力チェック項目】に該当項目が少なく、自分に全く営業力がないと思うなら、無理をせずに、営業力のある人と組むか、少し遠回りをしても別の方法で力をつけるしかありません。
営業力がそんなになくてもできる顧客獲得方法もある
・労働相談会に積極的に参加しましょう。
労働相談をしにやってきた人の悩みを親身に聞いてあげて、解決に導く方法を教えてあげたら、問題が深刻化したときに改めて事務所に来てもらえます。
・異業種交流会に出かけて気の合う仲間を作る → 合同事務所にして顧客を共有する
・商工会議所の懇親会や講演会にできるだけ参加する → 人脈を作る → 仕事の紹介をしてもらえる可能性が増す
・友達に声をかけてみたり、自分が使えるあらゆるコネを使い顧客を紹介してもらう
・HPやフェイスブック、SNSはできるだけ利用し、日々の出来事や社労士コラムなどを書いて頻繁に更新する
経営手腕を身につけるべし
もし資格を取得して即独立したのであれば、経営手腕を磨くためにも、どこかの社労士事務所に2年以上修行のつもりで働くことをおすすめします。
経営や顧客獲得には、コツというものがあるのです。
営業の才能がないなら、経営や顧客獲得のコツを学習して自分のものにする事がまず必要です。
実務経験がないなら、小さな社労士事務所の事務補助から始めてみましょう。
そして実務経験を積んだら、今度は転職エージェントを利用して、法人社労士事務所に転職するのです。年収500万程度得られます。
こうして、大きな事務所で3~5年以上修行を積めば、経営手腕も見よう見まねで身につくし、3号業務に食い込む方法も目の当たりに経験することができます。
大きな法人社労士事務所は、いわゆる勝ち組の社労士が率いるチームなのです。
そのチームは、大企業との付き合いもあり、異業種交流も、代表者労使の付き合いのおこぼれで、名のある方と交流があるでしょう。
人脈が、自分一人のときよりもダイナミックになります。
より力のある人との人脈を持っていた方が何にしても有利なのです。
さらに、その大きな法人社労士事務所にいたという実績ができます。
法人社労士事務所で自信がついてから独立するべし
大きな法人社労士事務所で自信がついたら、さあ独立です。
事務所を独立しても、人間関係は自分のものです。
お世話になった社労士事務所の顧客を奪うわけにはいきませんが、仕事を回してもらえることもけっこうあると聞きます。
また、自分の人脈によって顧客の紹介してもらったり、ご縁がご縁を呼ぶケースもたくさんあります。
もう、資格を取得して独りっきりで戦っていたときの、仕事に飢えていたあなたとは違うのです。
今のあなたは、仕事がない状態だった当時には考えられない人脈に実力、社労士としての信用を手にしているはずです。
昔のあなたではダメだったかもしれませんが、大きな社労士事務所で経験を積んだ今のあなたと組みたいと思う異業種の士業の方も現れるかもしれません。
「虎の威を借る狐」方式のようにあなたには思えるかもしれませんが、そうではありません。とにかく実力さえつけば、あとは向こうからチャンスはやってくるものです。
そして、そのチャンスを掴む営業力も無意識のうちに身についているのです。
今仕事がない人は、運命を決める4つの道の分かれ道に立たされている
今仕事がない人は、自分を見つめ直して、自分に合った方法を考え直すべきです。
4つの選択肢があります。
- このまま自分の営業力を信じて突き進む
- 修行し直す
- 転職エージェントで法人社労士事務所に就職する
- 開業を諦めて勤務社労士になる
突然この4つの選択肢を選べといわれても、困ってしまうかもしれません。
しかし、自分の未来を決める重要な分かれ道です。
「幸福は苦しみの縁を泳ぐ鮎の如し」という言葉があります。
これは筆者の父が大学の恩師から頂いた「卒業祝いの色紙」に書いてあった言葉です。
仕事がない時期は、お先真っ暗で、「自分にはこのまま幸せは来ないのではないか?」と思いがちです。
しかし、今は苦しみの縁にいても、あと一歩進むだけで幸福の領域に入り、夢が叶うのかもしれません。それは明日かもしれないのです。
筆者の経験ですが、どん底時代3年の後、トントン拍子に16社のクライアントをもつ社労士事務所の個人事業主となることができました。
幸せはある日突然嘘のようにいっぺんにやってきます。
どん底時代は、父の色紙を見て、「今は苦しみの縁」と思って、今できることを一歩ずつしていきました。
筆者の実家の菩提寺の和尚さんの説ですが、
「人生の幸せの量はみんな平等だから、苦しみの時間が長ければ長いほど、大きな幸せを掴む準備期間である、それが人生というものだ」そうです。
とにかく、最後に開業社労士として勝ち組になりたいのであれば、その過程はどうでも良いはずです。
開業社労士の勝ち組はほんの一握り人の栄光なのです。
だとしたら、その栄光を勝ち取るだけの苦しみを経験しなければ、一足飛びには勝ち組へとは進めないということです。
そして、その苦しみの縁を乗り越えたとき、きっと素晴らしい未来が待っているはずです。